前回の記事にアトピーの「掻く」という行為について少し触れました。
アトピー性皮膚炎は、湿疹が出て掻き壊し悪化する病気です。
事象だけで見れば、掻くことによって悪化します。
しかし、アトピー性皮膚炎の患者に「掻くな」とは言ってNG。
その理由を詳しく説明していきます。
なぜ掻いてしまうのか
まず解っていただきたいのが、アトピーで起こる痒みは健康な人間が大量に蚊に刺された痒みのレベルを遥かに超えていることです。
まず、体内(血中)で悪いと認識された物質を攻撃することで皮膚に強いかゆみを伴う発疹がでます。※なぜアトピーが強いかゆみを伴うのか理由まだ解明されていません。
アトピーの場合の痒みは我慢できないほどと言われており、実際にアトピー性皮膚炎の多くの方が肌に問題を抱えています。
アトピーで伴う痒みは決して本人のせいではなく、病気自体のせいです。
掻くから痒くなるというのは間違いで、もともと我慢できない強い掻痒感を伴うのです。
「掻くことを我慢させること」は間違い
アトピーに関しての大きな問題点は下記の4点です。
・治療法が定まっていない
・病院によって治療や対処が違う
・周囲からの理解が得られにくい
「掻かないで!」「掻いちゃダメ!」「掻くな!」
などと毎回注意するのはNGです。怒るなんてもってのほか。
例えば、腹痛で寝込んだり痛がってる人に「痛がるな」なんて言いませんよね?
アトピーは痒くなる病気です。もっと言うと、我慢できない痒みで掻き壊し皮膚炎が悪化する病気。
掻いてはいけないと誰よりも強く思っているのは本人です。また、掻いたことを強く後悔しているのも本人です。
そこに他人が「掻くな」と言うことで、掻くこと=悪い=自分が悪いという認識になります。
そうなると、「掻くたびに悪いことをしている・注意される」とストレスを感じながら、更に自分の後悔も大きくなっていきアトピー悪化に繋がります。
周囲の理解と知識が必要
頭痛や腹痛で痛がるのと同じように、アトピーで痒くなるのは当たりまえのことです。
掻かないほうが良いのでは?ではなく、「大丈夫?」と声をかけるべき。
旦那はアトピーを克服していますが、根幹を良くしていけば自然と掻かなくなります。
掻かなくなれば肌も治ります。
掻かないといられない痒みに襲われて掻けないというのはあまりに拷問です。
そういうときは掻くことを見守ることが大切。
本人が一番掻き壊したくないのです。
また、「掻くな」は無責任な言葉。
我慢だけさせて何もしないのは間違っていますよね。
なにか声をかけたいときは心配を含む言い方がベストです。
「大丈夫?」「なにかしてほしいことある?」「冷やすものもってこようか?」など。
(本人の「今コレじゃない」みたいなのがあると思うので、いらないと言われても怒らないであげてくださいね。お互いの言い方にも寄ると思いますが・・・)
治療法を模索し、治って来た頃に「あんまり掻きすぎないでね」と添えてあげるのは正解だと思います。
そのためにも改善の糸口を探してください。
これは大人アトピーにも子どもアトピーにも言えることです。
絶対にアトピーの痒みを否定しないでください。
アトピーの痒みを理解し、改善していきましょう。
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